「つながるお仕立て」その1 宮詣り初着を羽織にお仕立て変え
9月の疲れを引きずっていたら、いつのまにか10月も半分過ぎてしまいました。早い…。何だか今年はお正月からずっと心も身体も低空飛行で…もうこのまま低い感じで年内乗り切ろうとこないだ決意しました!なので遠慮なく疲れた顔を晒していくつもりです!
ありがたいもので、お仕立てのご依頼を数珠つなぎに(ポツリポツリとではありますが)頂いています。その一つ一つがとても印象深い内容で、2023年は低空飛行ではありましたが来年はもう少し飛躍できたらな…と期待できる材料になっています。
今日はその「つながるお仕立て」の中から…「男児宮詣り初着→5歳の男児羽織」をご紹介いたします。出来上がった羽織はこちら!
この内容のお仕立て変えは、去年1回承りました。Instagramでその投稿をご覧下さった別のお客様が「自分の2人の息子達の為に、同じように仕立て変えをして欲しい」とご依頼下さいました。ありがたや(^人^)
このお仕立て変えは「揚げ」をする事で成立します。下の写真、身頃が下の方で折り曲げられています…これ、「揚げ」と言います。
構造上どうしても羽織の衿に継ぎ目が入るので、それを「揚げ」の内側に入るようにして隠すのです。
今回は「小槌」の刺繍を隠したい…というご要望に添い、「揚げ」の位置を決めました。揚げをしないとこの状態…
揚げをするとこうなります…
色んな苦労をして形になった羽織なので、お客様が「2人の息子が着たら、その後は毎年端午の節句で飾ります!」とおっしゃられた時は、本当に本当に嬉しかったです。着物っていいな、て心から思う瞬間です♡ これからきっと色んな出来事が思い出になって、この羽織と一緒に積み重なっていくのだと思います。思い出を振り返る時には、あの子達は羽織に袖を通せない位大きくなっていて、優しい男性になっているのかな…とか考えていたら、人んちのお子様の事で泣いてしまいそうです…。とにかく、作って良かった!これは本当に作り甲斐のあるお仕立てものでした!