2022-04-27

ラシャ鋏 裁ち鋏

後藤和裁がワークショップを開催するようになって、今年で3年目。まだまだピヨピヨのひよっこですが、ワークショップを通じていくつもの素敵なご縁を頂戴しています。

去年開催した「わふくのしくみ」では、ご参加下さったI様に鳴海絞りの「こんせい」さんをご紹介頂き、去年の内に2回、雪花絞り体験に伺う事ができました。そのI様が先日、鋏の絵を描いて下さいました。

裁ち鋏

 

 

 

 

 

 

 

 

「裁ち鋏(たちばさみ)」。わたし達は略して「裁ち」と呼びます。そしてまたの名を「ラシャ鋏」。ラシャ=羅紗。「羅」も「紗」もごく薄い生地の絹織物です。しかし、不思議なことに「羅」と「紗」を合わせた「羅紗」という言葉は「地の厚い毛織物」を意味します。二つ合わせると真逆な意味になるのですね!「なんで?!」というツッコミを全力でかわしつつ…元々日本にはこのタイプの鋏は存在しなかったところに、幕末にラシャ鋏を携行した欧米の洋裁職人の来日により日本に持ち込まれたそうです。日本人に使いやすく改良され、和裁の世界にも広まった…という歴史があります。

わたし達和裁士が使用するラシャ鋏は、刀鍛冶の技術を元にしているため、「羅」も「紗」も「羅紗」もことごとく美しい切れ味でスパッと裁ち切ります。「裁」という字には物事を決するという意味があり、「裁判所」という使われ方にも言葉の持つ意味が表れています。刃物はとかく縁起の面では悪く言われがちですが、「裁ち鋏」は「断ち鋏」ではありません。未来を切り開く為に今を決する、カッコいい道具なのであります!!

なんと、サクラクレパスで描かれたこの裁ち鋏の絵!!後藤和裁の玄関に飾らせて頂きました。 出会いって不思議です。そして素敵。 大切にします( ◠‿◠ )♡

裁ち鋏

 

 

 

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