2022-05-31

お直しお手入れご相談会 その2

「お直しお手入れご相談会」では、お客様からの思いもよらないご相談もありました。

こちらの帯…

短い帯 

 

 

 

 

 

「何だか短い」という帯は、胴回り1周が限界の長さで、何故か片方の先端が細くなっていました。恐らくは何らかのトラブルで端が破れてしまい、でも諦めきれずにミシンで破れた部分を押さえて、誤魔化しつつ使用していたのではないかと…?

その先端部分のお写真を撮っていないので、伝わりづらいかと思いますが、この短い帯をものすご〜く重宝されていたのだと思います、以前の持ち主さまが。これ、とっても興味深いことですね。「モノ」には「ヒト」の歴史や思いが残っていて、知らない「ヒト」を介したとしても、伝わるのだな…と感じました。

「付喪神」なんていって、古い物には精霊が宿るらしいですが、妖怪化するまで古くなくとも物には思いが込められるもので、人によってはそれを恐く感じる事もあるでしょうが、手にとって心があったまるような、そんな思いが詰まった物もありますね( ◠‿◠ )

 

こちらのお客様は身幅が足りない、でもとってもお気に入りのお着物もお持ち下さって、結果として「洗い張りをしてマイ寸法にお仕立て直しがベスト」となりました。
身幅の狭い着物

 

 

 

 

 

 

 

呉服屋さんではその内容でかなり高額なお見積もりを出されたようですが、おおつき工芸さんで解き洗い張りをして後藤和裁でお仕立てをして、大体そのお見積もりの3分の1以内で済む事が判明し、お仕立て直しにポジティブになって下さいました。

放置されたままだったかもしれないお着物が、まだまだ現役でもう一働きする可能性が出てきました。嬉しい!

シミも寸法も「どうにもならない」と決め付けずに、われわれ専門家にどうかお声掛け下さい。なんとかなるかもしれませんよ。このご相談会は半期に一度位のペースで継続したいな、と思っています。働き場所を失ったお着物に、再びやり甲斐を与えるチャンスですよーー!!

 

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