2020-04-17
柄合わせの裏側
ただ今、加賀友禅の黒留袖を縫っています。
写真は、左見頃の衽と前見頃です。
縦横が逆になりますが、指差ししているのは
前見頃の鶴の辺り、脇縫いのラインです。
こういった柄合わせは、どうやって
縫っているのかというと…
こうやって、色が変わる度に色糸を変えて
縫っています。
正直、とっても面倒な作業なのですが
変えないと気持ちが落ち着かないので、真面目に
色糸を変えています。
この黒留袖で使用した色糸はこれ位です。
この程度ならまだまだ楽な方で、
お振袖など色がたくさん使われているものは
生地を一目見た瞬間、泣けてきます…
ちゃんと変えますけどね。
色糸の名前に「鼠」が入る糸が、
写真の手前から四枚続きます。
「鼠」の字が入る色名はとても多くて
日本はそんなに鼠だらけだったのか?
というわけではなくて。
江戸幕府が派手な色目を禁止したことから
鼠色がよく使われるようになり、そして
火事や火葬を連想する「灰色」を避けた為に
多くの鼠が出現するようになったそうです。
「利休鼠」なんて、
ずいぶんお洒落な鼠ですよね!
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