2022-08-05

アンティークの黒留袖を長羽織に

アンティークの黒留袖から長羽織をお仕立てしました。

アンティークの黒留袖を長羽織にお仕立て変え

 

 

 

 

 

 

 

 

アンティークの黒留袖を長羽織にお仕立て変え

 

 

 

 

 

 

 

 

黒留袖としてお預かりした時は、ま〜すごかったです、胴裏が。ビリビリで。

アンティークの黒留袖 胴裏 紅絹

 

 

 

 

 

 

 

 

この真っ赤な胴裏は「紅絹」と書いて「もみ」と読みます。紅絹の性が抜けていて、少し触れるだけでポロポロと崩れる様に破れてしまうのです…

表地の柄はとっても素敵で、八掛まで贅沢に柄が入っているのですが、黄変が激しく、それもムラのある黄変で、とにかく表も裏も「このままでは何ともならん」という状態でした。

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アンティークの黒留袖 黄変

 

 

 

 

 

 

 

 

これを何とか再生する為に、おおつき工芸さんという強力な助っ人のお力を借りて、長羽織として新たにお仕立て直しをいたしました。

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前から見ても後ろから見ても本当にステキ♡黒留袖は裾の方に柄があるだけなので、羽織にする為には身頃を切らなくてはなりません。羽織の肩山には後身頃と前身頃を縫合わせたラインが出ますが、それ程気になるものでは無いです。お袖の家紋は消さずにそのまま使いました。

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お召しになるお客様は、たっっっくさんのお着物をお持ちの着付師の方。お着物の袖丈もまちまち…という事で、ほぼ全てのお着物に対応出来る様に、羽織の振りは角の部分を封鎖しました。これで少しばかり袖丈の短いお着物であっても、羽織から着物のお袖が飛び出す心配はありません。

アンティークの黒留袖を長羽織にお仕立て変え

 

 

 

 

 

 

 

 

黄変が激しかった為に、おおつき工芸さんには羽織の形になってから「刷き合わせ(はきあわせ)」という、色を調整する作業をお願いしました。後身頃のビフォアフターです。

刷き合わせ before

 

 

 

 

 

 

 

 

刷き合わせ after

 

 

 

 

 

 

 

 

元々裾だったラインが白く出ていたのも直して頂きました。

アンティークの黒留袖を長羽織にお仕立て変え

 

 

 

 

 

 

 

 

アンティークの黒留袖を長羽織にお仕立て変え

 

 

 

 

 

 

 

 

染色補正の力と和裁の力で、どうにもならなかった黒留袖が羽織として新しく生まれ変わりました。この連係プレーは、今わたしが理想とする形です。新しい反物を買うのでは無く、手元にある物で新しい何かを作り出す。おニューの反物を手にする喜びとはまた違う、思い出や理念など形にならないものがたくさん詰まったお召し物が出来上がります。ちなみに、今回の羽裏は長襦袢を使いましたので、2つのものを1つに減らす…そんな断捨離効果もありました。

長襦袢を羽裏として再利用

 

 

 

 

 

 

 

 

明日はおおつき工芸さんを講師にお招きして、染み抜きワークショップです。

ワークショップ 染み抜きワークショップ

 

 

 

 

染み抜きワークショップ

 

 

 

 

 

 

 

 

この日の為にホームセンターでベンジンを20本購入しました!当然の事ながら売り場にはそんなにベンジンは置いていないので、発注してもらいました。店員さんが「僕、入社して10年経ちますけど、こんなにベンジン頼んだの初めてです」と… 。わたしもこんなにベンジン買ったのは初めてです( ◠‿◠ )  記念にお写真撮りました♡
染み抜き ベンジン

 

 

 

 

 

 

 

 

明日はわたしも受講いたします!楽しみ!!

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