2025-04-30

新之助上布2反 今日のお洗濯情報

新之助上布を2反お預かりしました。

新之助上布の反物

 

 

 

 

 

 

 

 

どちらも綿麻で交織。交織とは縦糸と緯糸を異なる素材の糸で織ることで、新之助上布の綿麻は縦糸が綿で緯糸がラミー麻。比率は綿45%、麻55%。すごくザックリとした数字ですが、綿の縮み率は3〜5%で、麻は5〜10%です。数字だけ見てると「ふーん」で終わりますけど、いやいや…コレなかなかの縮みっぷりです。仮に3%縮んだとして、100㎝あったものから3㎝消えて無くなります。最近のお着物用の反物は13m以上あるので、3㎝×13で1反から39㎝以上消失します。5%だと65㎝以上無くなっちゃう… 「どこいった?!」て不思議に思うんですけど、本当に無くなっちゃうんです。

今回2反のお仕立てをご依頼下さったお客様は、肝の据わった度量の大っっきな方で「着物になったら自宅のドラムで洗うんだから、水通しもドラムでやってほしい」とのリクエスト。「じゃ、うちのドラムでネットに入れて、オシャレ着用の洗剤使って手洗いコースですね」と申し上げましたら「いや、普通の洗剤で標準コースで」と。カッコいい!てゆうかアナタ、他の洗濯物と一緒に洗ってますね…わたしと一緒じゃないですか!!

そしてお客様もわたしも疑問だったのが、仕立てた後にどれ位縮むのか?という事です。いっそ2回洗った方が良いんじゃないのか?プラス温風乾燥しとく?なんてお話になり、ドラム標準コースのノーマル洗剤洗い+温風乾燥、このセットを2回やる、という「新しい反物にこんなにダメージ与える必要あるの?」と自己ツッコミ入れたくなるようなハードな水通しを行いました。

まずはピンク×紫の反物を、1mおきに糸印をして、1mでの平均の巾を書き出します。

反物の長さと幅を調べる

 

 

 

 

 

 

 

屏風畳みにしてネットに入れます。

綿麻の新之助上布をドラムで洗ってみる

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてドラムにイン。

綿麻の新之助上布をドラムで洗ってみる

 

 

 

 

 

 

 

 

「おまかせ」を選択して、普段着用の洗剤で洗います。

新之助上布をドラムで洗ってみる

 

 

 

 

 

お洗濯終了。ドラムから取り出すと…屏風畳みは良くなかったです。 毎回の折山がハッキリとしてしまいました。「これは2回目は無しだな」と思いながら浴室の竿に吊るして温風90分。

綿麻の新之助上布をドラムで洗って浴室温風乾燥で乾かす

 

 

 

 

 

 

 

 

縮みました!長さは13m80.8㎝から13m20.7㎝に。60㎝消えて無くなり、縮み率は4.4%で想定内の数字です。ちょっと意外だったのは、幅が気持ち広がった事です。洗濯で生じたシワを広げながら竿に吊るしたせいかもしれませんが、温風乾燥したらきっと幅もかなり縮むだろうと思っていたのに、結果は異なりました。

さて、2回目。1回目は屏風畳みで折山がクッキリ付いたので、今度はパッタンパッタンと巻き畳みにしました。

綿麻の新之助上布をドラムで洗ってみる

 

 

 

 

 

 

 

 

で、ネットに入れて標準コース+温風乾燥… 2回目もそれなりに縮むのかな?と思っていましたが、13m20.7㎝が13m17.2㎝の減少に留まりました。最終的には4.6%縮んで1回目で4.4%なので、2回目は無くてもいいかな〜、と思える結果になりました。

畳方はやはり巻き畳みの方が良かったです。最後に反物の幅を整える為にドライでアイロンをかけたら、気になっていた折山はほぼ無くなりました。そして地幅は元々40.2㎝位だったのが41.4㎝位まで広がりました。意外(°▽°)!

もう1つのブルーグレーの反物も同じような結果になるんだろうな、と思いましたが、微妙に異なる感じになり… やはり天然繊維なので、全く同じって事は無いんですね。もう1反のお洗濯情報はまた次回に!

関連記事