2023-08-02
羽裏を名古屋帯に!
伊勢海老の柄の名古屋帯。この生地は元々羽織の裏「羽裏」でした。
素敵な柄の羽裏でしたが、アンティークの羽織に付いていた裏地なので、もうかな〜り傷んでいて染みも沢山有り… そこで、いつもお世話になっている「おおつき工芸」さんにお願いして、着用した時に見える部分のみを染み抜きしてみよう!でも…穴空いちゃうようなレベルで生地が弱っていたら、もう諦めましょう。という事になりました。よって、体に巻きつける1周目の部分は染み抜きはしていません。羽裏だけでは足りないので、別布も入れています。
伊勢海老の向きがいい感じの部分を太鼓柄と前柄に配置して…そんでもって継ぎ目は着用時に隠れる所に持っていって…さらに長さも確保して…頭の中でパズルを作りながら、名古屋帯として成立させます。
実際に名古屋帯を結べる人でないと、こういったお仕立て変えは難しいかもしれません。先日、男性和裁士の方から問い合わせを頂き、「袋帯を半幅帯に仕立て変える依頼を受けるかもしれないんだけど、長さってどうなの?」といった内容で… どんな帯結びをするかで変わってくるので、お客様と綿密な打ち合わせをするべきなのですが、作り手が着方を知らないという問題が実は結構存在しています。
後藤和裁学院では生徒たちに着付けの授業もしています。男子生徒にも。それは「自分でも着物を楽しんで欲しい」という事ではなくて、作り手として作った物の使い方は知っていないといけないからです。
今年の着付けの授業をボチボチ開始しなくてはならないのですが…暑くて延び延びになっています。今年は男子生徒の参加がありますので、またこちらでもご紹介いたします( ◠‿◠ )!早くやらなきゃ…でも暑い…
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