2025-11-16

紅型の羽織 沖縄のこと

紅型の単衣絵羽織をお仕立てさせて頂きました。

紅型の単衣絵羽織

 

 

 

 

 

 

 

 

この意匠は元々訪問着として存在していました。こちらは単衣訪問着、仮絵羽の状態です↓

紅型の訪問着

 

 

 

 

 

 

 

 

「この訪問着のデザインで単衣羽織を作りたい」というオーダーを頂いたのが、今年の4月初旬でした。訪問着を染められた工房様では羽織の制作の実績が無い、とのことで、白生地を送って頂いて「ここからここまで柄を入れて下さい」という糸印を付ける作業からのスタートでした。

沖縄にある工房様へ糸印をした反物を送ってしまえばそれでヨシ、かとも思いましたが…  「顔を合わせて直接お話しないと細かい所まで伝わらないかも」という不安もあったので、 行きました、沖縄。

琉球城守礼門

 

 

 

 

 

 

 

 

このお仕事全般をコーディネートして下さったのは、20代の頃にお仕事で繋がりのあった着付け師のY先生。Y先生が名古屋を離れられてからずっとお会いしていなかったので、20年ぶり位の再会でした。6月に反物を持って沖縄へ向かった際は、何から何までお世話になり、濃密な時間を過ごさせて頂きました。昼前に那覇空港に着いて翌日昼過ぎに那覇空港を発つ弾丸1泊ツアーでしたが、首里城観光もスケジュールに組み込んで下さって、大満足な2日間になりました。

沖縄の工房様では反物を広げてのご説明ができました。

沖縄の工房様で柄をどこに入れるかをご説明させて頂きました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして反物を広げた結果、わたしが予め考えていたプランでは染められないという事が判明!なぜイカンのか、という事もよく分かりました。単純な事なのですが、単純だからこそ絶対的な領域のお話で、白生地は名古屋へ持って帰ってリテイクということになりました。いや〜、行って良かったです。もしかして適当に処理して進めていたかもしれなかった所を、キッチリ詰めて明確に正確に処理できて、本当に良かったです。

名古屋で再び糸印を入れ直して、反物を沖縄の工房様へお送りしました。待つこと数ヶ月。真っ白だった反物に色と柄が入り、再び我々の出番です。もう一度全ての柄の位置をチェックして裁断、そして縫っていきます。

紅型単衣絵羽織

 

 

 

 

 

 

 

 

白生地には割と大きめの市松の地紋があった為、それらを全部合わせて尚且つ柄の位置を指示する… という結構プレッシャーのかかる作業でしたが、糸印を入れる段階で入念に入念に、それはそれは入念に確認しまくりましたので、バッチリ市松を合わせることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

袖口布(袖口の裏側の布)も別染めで柄のある部分を作ってもらいました。

紅型単衣絵羽織

 

 

 

 

 

 

 

 

そして例の如く共布枕!

紅型単衣絵羽織 共布で枕を作りました!

 

 

 

 

 

 

 

 

新しい反物からのお仕立てで、ここまで初期段階から携われることはまず無いので、物凄く良い経験になりました。琉球紅型の工房様では、その仕事の緻密さに言葉を失いました。手仕事とは何て尊いのでしょうか。手でなくてはならない理由があり、機械化できない価値ある仕事は世の中にあり過ぎるほどある、そう思いました。永く続いてほしいです。見る目とお金のある方、どうか本物の逸品にお金を遣って下さい、できたら沢山。

沖縄は10代の頃に行ったきりで、しかもその時は八重山諸島を訪れただけだったので、実質今回がほぼ初の沖縄本島でした。沖縄って…  食べ物が美味しい!かつて度々飲みに連れて行って下さったY先生は、さすがわたしの好みをよぉ〜く覚えていらっしゃって、いく先いく先とにかく美味しい!帰る前に「お土産のオススメはこれとこれとこれ、ここに行って買うといいよ」というアドバイスを頂き、言われた通〜りにいたしました。結果、沖縄料理にどハマり中です。沖縄訪問後も名古屋にある沖縄のアンテナショップで買っているのがこれ↓

沖縄そばのだし

 

 

 

 

 

 

 

 

沖縄そばだけでなく、煮物や炒め物などに使えてとっても便利です。カツオの風味が強くて、いわゆるだし醤油よりだんぜんコレです。夏によく作ったのは、ゴーヤーとナスの煮物です。最後にバジルを香り付けに足して冷やして頂くとサイコー。

そして、このヒラヤーチーミックス↓

ヒラヤーチーミックス

 

 

 

 

 

 

 

 

水加減テキトーで大丈夫で、こちらもカツオの風味が強いです。水で薄めに伸ばすと外側カリッカリに焼けます。わたしのオススメの具材は「ナスと大葉とチーズ」です♡

沖縄そばに入っていた豚軟骨があんまり美味しかったので、自宅で作るために電気圧力鍋も買いました。

タイガー電気圧力鍋

 

 

 

 

 

 

 

 

これを買ったおかげで炊飯器を処分できて、キッチンめっちゃスッキリしました。

沖縄に到着して最初に食べたのが、Y先生と工房のH様とご一緒した沖縄そばでした。フーチバー(よもぎ)が入ったそれは初めての美味しさで、忘れられません。お二人の底抜けの優しさと、いざお仕事となった時のピンと張りつめる空気感、カッコ良かったです。たぶん10歳位年上の女性とのお仕事、この日の事は今年の大晦日に神様に感謝しようと思います。

人生の先輩方とのお仕事 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お仕事を承った4月頃は、和裁を含めた着物業界全般に将来性を見出せず、とても苦しい気持ちで過ごしていました。でも、沖縄でお二人と過ごしたことで「あと10年仕事頑張ったら、わたしもあんなふうに優しくて仕事出来る人間になれるかな…」なんて思うようになりました。なので、あと10年、沖縄で見たお二人の背中を追いかけようと思います。

そして帰りの空港でも沖縄そば。

那覇空港で沖縄そば

 

 

 

 

 

 

 

ランチ中のCAさんのお隣で頂いた沖縄そば、めっっちゃ美味しかったです( ◠‿◠ )! 

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