長襦袢 関東衿の広衿仕立て それなに?
宮本美穂さんのワークショップ「衣紋と衿」で必ず登場する長襦袢、関東衿の広衿仕立て。ワークショップを受講されたお客様のご依頼でお仕立てしました。
関西衿だと下の写真の指差ししている所から「衽」が付きますが、関東衿は「衽」が無くて身頃にダイレクトに衿が付きます。
そして「関東衿」というと普通は棒衿、5㎝強位の巾の衿が付くものですが、こちらは「広衿仕立て」10㎝強の巾になります。
ちょこ倍、従って首周りは半巾に折って着ることになります。胸元手前辺りで広衿の巾をフルに使うと、胸をしっかり包み込んでガッチリホールド。胸の大きな方に実はとっても効果的な長襦袢なのです。
今回お仕立てしたこちらの長襦袢は、懐かしのモスリン広巾。
わたしが生徒だった頃は、えー…20年以上前ですね、1年生の競技会の統一材料がこれでした。6時間で単衣の長襦袢を1枚作るのです。あの時は必死でしたね。若かったから乗り越えられたと思います。今は無理。
わたしの思い出と同じく、こちらの生地もそれなりに時間を経過している為に、色々と問題が…
汚れもありホコリもかぶっていそうでしたので、お洒落着洗いの洗剤でそっと洗ってからお仕立てしました。実はこの長襦袢は生地があるだけ一杯でお仕立てした身丈の短い長襦袢です。
美穂さんのワークショップを受講されたお客様が関東衿広衿仕立ての長襦袢にご興味を持たれ、後藤和裁でお仕立てをさせて頂いております。今回で3枚目!少しずつカスタムしながら、お客様のご要望にピッタリ添う長襦袢を、お客様とご一緒にあれこれアイディアを出しながらお仕立てしています。和裁士としてただ決まった形の物を作るだけでない喜びを、お客様から頂戴しております( ◠‿◠ )♡