甦れ!アンティーク着物!!
お客さまがネットで購入された「マジョリカお召し」を、身丈も身幅も大きくお仕立て直ししました。
「マジョリカお召し」は、新潟県十日町で昭和34年から4年間だけ織られた、金糸や銀糸を多用した洋風柄のお召しのこと。今回のご依頼で、わたしははじめて「マジョリカお召し」という言葉を認識しました。今までに何度か出会っている生地ではありますが、たった4年しか生産されなかったとは…調べると、とても人気の織物だったそうで、それなら何故4年間しか生産しなかったのでしょう…??もちょっと調べてみなくてはです。
お客さまは167㎝の長身でいらっしゃいますが、購入されたマジョリカお召しは150㎝位で出来上がっていて、当然身丈も裄も足りず、身幅もすごーく狭く出来上がっていました。「揚げ」と呼ばれる身頃に縫い込む縫い代も無く、「このままでは着られないので何とかならないでしょうか?」とご依頼頂き、お着物を拝見すると…何とかならないこともない…!ギリッギリですが、お召しになった時に見えない所に足し布をして、身丈をお客さまの身長まで長くして、地幅をイッパイまで使って身幅も広げ、なんとかなるかも…足し布もあっちこっちから取ってこれば、自前の布でまかなえる…という算段がつき、早速解き洗い張りをして八掛と胴裏はおニューに交換。スッキリ爽やかキレイに生まれ変わりました!
袖から切った足し布は後ろ身頃に入れて…
下前の前身頃はお召しになると見えないので、シッカリたくさん足し布を入れて…
その分上前の前身頃は継ぎ目を1本にして、足し布は入れません。
着てみたいけどとても無理、そんな短いお着物や狭いお着物、諦める前に是非一度ご相談ください。勿論全部がぜんぶお直し可能ではありませんが、もしかしたら直せるかもです!お気軽にお問い合わせ下さい。