2026-03-10

黒留袖を長羽織にお仕立て変え 小鍛冶のこと

昨年のお仕立てものになりますが…  黒留袖を長羽織にお仕立て変えをしました。

黒留袖を長羽織にお仕立て変え

 

 

 

 

 

 

 

 

この柄、何を描いているかお分かりになりますか?

黒留袖を長羽織にお仕立て変え

 

 

 

 

 

 

 

 

歌舞伎や能、日本舞踊として有名な「小鍛冶」のワンシーンです。稲荷の使いが現れて名刀を作るという場面。

小鍛冶のワンシーン

 

 

 

 

 

 

 

 

「小鍛冶」のあらすじを駆け足で…   主人公の三条宗近は帝から「剣を打て」という勅命を受けますが、「相槌(パートナー)」がいないという致命的な状況に直面します。宗近は諦めずに氏神である伏見稲荷大社へ参詣し、一心に祈願します。すると宗近の誠実な祈りに応えるように稲荷明神の化身である童子が現れます。この奇跡の訪れにより一人では不可能であった「天下第一の名刀(小狐丸)」が完成します。

お客様は「小鍛冶」のストーリーから「困難に直面しても、諦めないで誠実に向き合えば道は開ける」という教訓を読み取られ、お子様の卒業式にお召しになる羽織としてご依頼下さいました。お母さんの願いや祈りが込められた、世界にたった一つの羽織。素敵です。羽織というモノも写真というデータも残るので、お子様が大人になられた時に、きっとお母さんのあたたかい心に再び触れることが出来ると思います。

わたしには子供はいませんが、後藤和裁学院の生徒たちが「擬似わが子」だと思っています。ニッチな世界に足を踏み入れた彼女たちと、狭く長い道をひたすら進む5年間。一人一人の和裁があるので、プロになれる人もいればちょっと難しい人もいます。5年という区切りはありますが、教えられた技術や知識が身体に馴染んで発揮できるようになるには個人差が大きいので、腐らず諦めずに打ち込む事がとても大事です。そうです、わたしたちも「小鍛冶」です。わたしもこの道を諦めずに進んで行こうと思います。生徒たち、お客様、思い浮かぶたくさんの人たちの為に、自分に出来る事を毎日積み重ねて…  その先にわたしの「小狐丸」がきっとあるはず( ◠‿◠ )!

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