今日から2月 心機一転NICE長襦袢
本日は2月1日。ふと思い出しました「そういえば大分前に暦の本、買ったよな〜」と。
パラパラめくってみると2月1日は「寒卵」のタイトルで、寒中の鶏卵は「寒卵」といって滋味深く、特別に重宝されたそうです。現在の鶏卵は鳥インフルエンザによって高騰し、セブンイレブンでは鶏卵を使った商品を一部販売休止するそうで…あまりにジャストタイムな事が書いてあり、「重宝」の意味合いが違うとは言え、「味わって卵食べよ…」と思いました。
さて、本題でございます。それはNICE長襦袢。そもそもは関東衿広衿仕立ての長襦袢をお仕立てしたのです。これです。
その衿を、こんな風にしてみました。
ちょっと分かりにくいと思いますが、スナップ無しで衿を半巾に折れる様に、強力なマグネットを仕込みました!
半衿を付けなくてもそのままでOKというのがこの関東衿広衿仕立てのメリットなのですが「白い半衿を付けて着てみたい」というお客様からのオーダーが入りました。確かに…色々楽しみたいですよね。でもそうなると、こうなってしまいます。次の動画で指差しした部分が、着物をお召しになった際に見えてしまうのです。なので、グルッと裏側まで半衿を持っていきたい…でも、そしたらスナップが邪魔… どうぞ、全てを動画でご覧下さい。
と、思ってたら…動画が長過ぎて読み込めない!!分割してみます。まずはこれをご覧下さい。
最後に指差しした半衿の境目の部分が、着物を着ると見えてしまうのです。なので半衿を裏衿側にグルッと回したいけれど、そうなると今度はスナップが邪魔… という訳で、スナップ無しにする為に、マグネットを内蔵してみました。
もう本当に作業がやり辛かったです。何故ならば、色々くっついてしまうのです。ちょっとコテを当てようものなら「カチッ」とくっつき。
糸やら諸々の物を切りたくても「カチッ」とくっつく。
最初に一対マグネットを付けた際にはS極とN極を考えずに配置してしまい「そうだ、磁石なんだからSとNを常に考えなきゃ…」と、普段考えない事に思いを巡らせました。スナップも凸と凹があるのですが、マグネットはSとNが見た目が同じなので、注意しないといけません。
和裁を突き詰めてきた先に、S極とN極があったとは…! この事実にも笑ってしまいますが、実際にマグネットで長襦袢の衿を「パコ、パカ!…パコ、パカ!…」と、付けたり離したりしていると、可愛いやら面白いやらで…( ◠‿◠ )
上手く言葉にできませんが、こんなに楽しくて面白い幸せはわたし1人では作れません。お客様のオーダーがあって、アイディアを絞り出して、それがスマートな結果になる時もあれば、こんなキュートな結果になる時もある。2023年も楽しくて面白い冒険を、お客様とご一緒に経験できるといいな…そんな風に感じました♡