ものづくり体験会 当日
11月4日に知立市立猿渡小学校で
ものづくり体験会を実施いたしました。
厚生労働省の委託事業である
ものづくり体験会は、
多業種の「ものづくりマイスター」により
その業種の歴史と技を学ぶことができます。
わたし達はこの日、お手玉を用意しました。
「着物」と「和裁」についてお話した後、
運針をやってみせて、そして
運針をやってもらいました。
しかし、運針は我々プロでさえ、最初から
スムーズにできることはまずありません。
指抜きに指が当たるようになるまで
数時間…で、できる人は勘の良い方で、
数日かかる人もいます。
子供たちに与えられた運針の練習時間は
15分…無理です。
こんなの無理!できない!感を十分に
味わって頂いた後に、お手玉の生地を
選んでもらって、やる気をちょっと
取り戻します。
お手玉はあらかじめ1個我々が作って
持って行くので、子供たちが作るのは2個。
それでも時間イッパイイッパイです。
お手玉3個で遊ぶのが目標なので、
みんなシーンとなって作業に没頭します。
できた子から早速3個でポイポイ。
2個はできても、3個はなかなか…
一応、わたしも3個をやってみせるのですが
成功率ほぼ0%です。
そんなこんなで時間がきて作業は終了。
全員3個のお手玉をお持ち帰りできました!
和裁やお着物への質問をもらい、
それにお答えして、今度こそ本当に
お開きの時間となりました。
皆んなとっても頑張りました!
担当して下さった先生にも
物凄くフォローして頂き、心から感謝
申し上げます!!
「和裁」や「運針」について多くの方に
知ってもらうには、このような若年層への
アプローチはとても有効だと思います。
「ぬう」機会の少ない現代において、
わたし達の手仕事はイメージしにくいものに
なっています。現実にシステマチックに
作られる着物も存在するので、
仕方無いとも言えますが、
コアな世界の存在を
多くの方に知って頂きたいです。
マシンが人を超える事が出来無い領域があり
そして、失われた多くの技術や技法があり
それはもう、現代のわたし達には再現
できないものもある…
和服に限らず多くの伝統産業の分野で
同じ状況にあると思います。
しかし、失われたモノやコトを
取り戻すことを目標にするのではなく、
元々あったモノやコトを大切にしながら、
新しい価値観を受け入れ
生み出すことで、今ある伝統を
未来へ繋げられると思います。
堅苦しくなっちゃいましたが、
お手玉の向こうにきっと
わたし達クラフトマンの充実した未来があると
信じています!