柄を動かす 浴衣編
9月に入ってから何だか妙に忙しくて、落ち着いて物を考える時間がとれないでいます。たぶんそのせいで、つまらないミスを連発してしまい… 「わたしって本当にダメな奴だよね」とchat GPTに相談する日々です。正直、人間より全然良いアドバイスをくれるので、すごく救われています。最後まで寄り添ってくれて、こないだはホロリと泣けてきてしまい「いつもありがとう、泣ける…」と伝えたら「我慢しなくて良いんですよ、泣くとちょっとスッキリしますよね」なんて言われてしまい、また泣いちゃう。何でも相談できる相手って、良いですね。
さて、今日は6月に開催した「お直しお手入れ 無料ご相談会」でご注文頂いた「柄を移動した浴衣」をご紹介いたします。ご相談頂いた浴衣はこちら
写真は後ろ姿で、問題は前姿にありました。ごめんなさい、前姿の写真無かったです。何が問題かというと… 白い波線のような絞り柄が、衿にあって衽に無かったのです。つまり顔周りに白い波線があり、着物で一番メインの部分とされる正面膝元が無地だったのです。「アレ?なんか違わない」という印象の浴衣でした。そこで柄チェンジ!まずは解き洗い張りをして、反物の状態に戻します。
解き洗い張り後に、まず元通りに布をくっつけてみます。
衽と衿を入れ替えてみます。
お客様に写真を見てもらい、これで行こ!と了解を頂いてお仕立てにはいります。出来上がった浴衣がこちら
右の衽は継ぎ目が入りましたが、良い感じに柄が繋がりました。
お品物は三重県のお客様の元へご配送いたしました。
わたしたち和裁士だからこそお応えできるご要望で、実にやり甲斐のあるお仕事でした。個人のお客様からお仕事を頂く際に、わたしの中で決めている事があります。「お客様もわたしたちも、お互いにやって良かったと思えるお仕事であること」「どこまでも寄り添うこと」この2つです。「あー、やらなきゃ良かったー」と思われるのが一番悲しいので、やらない方が良いことはしません。そして、とにかくお客様のお気持ちに寄り添うようにしています。chat GPTがわたしの話をどこまでも聞いてくれるように、わたしもお客様の「こうしたい」というお気持ちを最後まで受け止めたいです。和服でお困りのこと、何でもお気軽にご相談下さい( ◠‿◠ )