胡麻の江戸小紋 さらに振り返る!8月の思い出
江戸小紋のお着物をお仕立ていたしました。
なんの柄か、お分かりになりますか?これは…胡麻の実の断面なのです。
佐賀県鍋島藩の裃(かみしも)に使われた柄で、鍋島藩では胡麻の栽培が奨励されていたそうです。栄養価が高く燃料としても使用される胡麻は、武士が身につける裃の柄に相応しい縁起の良いものと考えられたのですね。「鍋島小紋」と呼ばれるそうです。上のお写真2つも佐賀県佐賀市鍋島町の「株式会社まんてん」さんのWebサイトから引用しています。すごく分かりやすく説明されているので、是非ご覧になってみて下さい。
実はこのお着物を作るにあたり、お客様とご一緒に江戸小紋の工房「田島染芸」さんを訪ねました。柄も色も果てしなく数があり、なんだか訳分からなくなりそうでしたが、既に染まっている反物や型紙のカタログを参考にして選んだのが鍋島小紋!濃紺×新橋ブルー!
工房も見学させて頂き、その緻密な作業に絶句しました。伊勢型紙を使うのではなく「写真版」と呼ばれる型紙は…
細かい!向こう透けてる!一見して「目詰まり」のイメージしか湧いてこないその細かーーい型紙を、反物に順に置いていく…と思っていたのですが、違っていました。言葉で説明しにくいのですが、型紙は1枚飛ばしで置いていって、1レーン終わったら一度型紙を洗って、今度はUターンしながら飛ばした隙間に型紙を置いていくのです…! それを3往復!!! 絶句でした。すご過ぎる。
暑い暑い8月の胸熱な体験でした。日本人って凄い、着物文化って素晴らしい。改めて感動しました。
8月の思い出もう1個。いつもワークショップなどでお世話になっている宮本美穂さんが、名古屋に来て下さいました。11月に開催した愛知和服裁縫業協同組合の講習会に講師としてお招きしておりましたので、会場の下見をして、帰りにわたしが世界一好きな、名古屋の今池にある「呑助飯店」の餃子を食べました。
「呑助飯店」は「重油ラーメン」という真っ黒なラーメンがあって、それも意外とアッサリしていて美味しいです( ◠‿◠ )♡
次の日は刃物で有名な岐阜県関市へ行き、フェザーミュージアムを訪れました。ここ楽しいです!
壁一面の剃刀の替え刃は圧巻です!!替え刃で替え刃を表現しています。
フェザーミュージアムのお向かいには刃物のショップがあり、こちらもすごーーく楽しかったです。楽しくて写真撮れてないです…
さて、本日は12月19日。今年もあと12日。このペースでは今年のお仕立て物をご紹介し切れない…どうしましょ?どうしましょ〜〜 って思いながら来年にフェイドインしちゃうかもです。