2023-10-25

「つながるお仕立て」 その2 黒留袖を長羽織にお仕立て変え つづき

10月21日と22日に、名古屋栄にあるオアシス21で「尾張名古屋の職人展」が開催されました。わたしも和裁の実演で現地に行ってまいりました。

オアシス21 尾張名古屋の職人展

尾張名古屋の職人展

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色んな方に声を掛けて頂いて、たくさんお話をさせて頂きました。普段あまりこんな機会はないので楽しかったです。わたしが縫っていた生地がとても硬くて、しょっちゅう縫針を髪に付けていると「それ、子供の頃一緒に住んでたおばあちゃんがよくやってた!!」と、Uberの方がわざわざ写真を撮りに立ち寄って下さいました。「懐かしい」とか「その針山うちにもあったわ〜」などなど、郷愁を誘う光景だったみたいです。また来年もあるはずなので、ご興味おありの方は是非足を運んでみて下さいね。

さて。「黒留袖→長羽織」のお仕立て変えの続きです。

留袖の裾の方の柄を生かして羽織にする為、裾から羽織丈をとってカットします。そして羽裏は、元々黒留袖の裏に付いていた紅絹(もみ)を使います。カットした表と紅絹を、柄の都合が良くなるように配置して、「前落とし」という作業をします。

黒留袖を長羽織りにお仕立て変え 前落とし

 

 

 

 

 

 

 

 

羽織は着物の様に前身頃を重ねて着用するのではなく、前は空間がひらいています。帯が見えますよね。そのスペースは「前落とし」によって作られています。

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元「衽(おくみ)」の布を、羽織の衿に使用するので、柄がきれい繋がるように、「衽」の布を切り離します。この作業、かなり勇気いります。

黒留袖を長羽織りにお仕立て変え 

 

 

 

 

 

 

 

 

柄を生かして羽織の形にする為に、どこをどう切ってどう配置するか…「パズルを組み立てる」のでは無く、「パズルのピースそのものを制作する」そんな感じの頭の体操をします。そして出来上がるとこう…

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紅絹が再利用できて本当に良かったです。チラ見えする紅絹が素敵。裏も表もアンティークならではの味わいがあります。

黒留袖を長羽織りにお仕立て変え

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらのお客様はご姉妹で着物フリークでいらっしゃって、10月中にお二人で京都へご旅行されるので、それに合わせてご発送させて頂きました。昨年後藤和裁でお仕立てしたお姉様の羽織は、おばさまが刺繍をされたそれは豪華な黒留袖からのお仕立て変えでした。

黒留袖を長羽織にお仕立て変え

 

 

 

 

 

 

 

そして今年は妹様。つながってる!このつながり方、とっても嬉しいです。お姉様の羽織を「それ良いな」って、思ってもらえたという事ですよね。作ってよかった( ◠‿◠ )♡

わたしには兄が二人いるのですが、お姉さんっていいですね。子供の頃はお姉さんのいる子がすごく羨ましかったです。成長するにつれて兄達との関係も変わって、今は兄がいる事が幸せで、二人の兄嫁の事が大好きです。着物の話って、どうしてか最終的に家族の話になりますね…  最近あまり義理の姉たちと会って話していないけど、家族の愚痴とか色んなお話をダラダラと話すあの時間が結構好きなので、そんな機会がまた待てますように…(^人^)

 

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